【入賞事例紹介④】第40回・金賞(グランプリ)「試着できる原寸大のスニーカーのインパクトで購買者数前年比142.9%を達成」

2026年10月19日

試着気分!
スニーカー“体感”DM

広告主 アシックス商事/制作者 富士フイルムビジネスイノベーションジャパン、フュージョン

アシックス商事は、アシックスウォーキングのリニューアルモデル「PEDALA RIDEWALK 2」への買い替え促進を主な目的に、DM施策を実施した。ターゲットセグメントを細かく設定し、ターゲットに刺さるクリエイティブを追求した。また、購買へいたるカスタマージャーニーも設計、店舗との協力体制も整えた結果、目標を上回る販売数を達成した。

戦略性
DM到着から店舗への送客・ 購入までを意識して全体を設計

アシックスウォーキングの「PEDALA RIDEWALK」は、リニューアルを実施し「PEDALA RIDEWALK 2」となった。この告知と、前モデルからの買い替え促進、およびアップセル、休眠顧客の再活性化を目的にDM施策を実施した。

マーケティング方針

DMで目指したのは「新モデルへの買い替え促進」、「スニーカーユーザー向けのアップセル」、「離反顧客の活性化」という3つの課題を解消すること。この課題に対して、ターゲットとする消費者を細かくセグメント化し、行動を誘導するDM施策を企画した。
今回は対象商品が「PEDALA RIDEWALK 2」と明確になっているため、前モデル「PEDALA RIDEWALK」の購入者、スニーカーカテゴリーの購入履歴のある人に加えて、離反顧客の活性化目的ではCPM分析を用いて優良顧客やDM施策への反応が良さそうな顧客を抽出し、セグメント化した。また、抽出作業では過去のDM施策の実績から、最後に購入してからの期間が810日までの反応率が高いというデータを目安に使用した。
オフラインのDMでは機能訴求に偏ってしまうところがあるが、靴の購入には着用イメージが重要となる。そこで、機能だけではない体験的要素を加えて、商品への興味・関心を高めることを目指した。

販促企画

DMを起点にしたカスタマージャーニーを設計し、DMによる体験から店舗やECへの送客、さらには各チャネルでの購買までの導線を意識した。商品への興味・関心を高めるために、機能の訴求だけではなく、靴を履いた様子をイメージしてもらうことによって購買への意欲を喚起した。
送客後の行動も考慮し、店舗とも連携、VMDで目立つ位置への商品陳列や、接客トーク集も作成した。ECでは着用画像、動画などを活用し、擬似試着体験を補強した。またSNSでもクーポン使用期限に合わせた投稿も行った。

ターゲティング/リスティング

「PEDALA RIDEWALK」の購入者、スニーカーユーザー、CPM分析から優良顧客やDMの反応が期待できそうな層。

クリエイティブ
試着できる原寸大の靴のインパクトで開封率アップ

圧着展開型のDMの外面にはほぼ実寸大の商品画像を印刷し、足入れ部分の点線に沿ってカットすることで足首を入れて試着できるようにした。その狙いをアシックス商事の髙岡理世氏は「五感に訴えることを意識しました。化粧品などであればサンプルを封入することで体験をつくることができます。靴では同じことが難しいので視覚や触覚を刺激できるようなクリエイティブを採用しました」と話す。
また、外面では試着できることとクーポンが封入されている内容のメッセージに絞り、原寸大画像を目立たせた。靴の向きについては、制作を担当したフュージョン、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンとも議論を重ねながら決定した。 「真横や斜めなど、さまざまな角度のデザインも検討しましたが、試着するときに最初に見る真上からの画像にすることで、試着している感覚をイメージしてもらいやすいのではないかと考え、真上からのデザインを採用しました」(髙岡氏)。
中面ではスタイリングイメージの画像が最初に目に入るように左上部に配置、ラインアップも紹介し、視覚的にニューモデルを見せた。右ページでは開発者による解説と新モデルのリニューアルポイントを伝えた。約3万円とスニーカーにしては高額な部類に入るため、ビジュアルだけではなく、テキスト情報によって価格への納得感を高め、購入への自然な誘導を意識した。

実施効果
購買にとどまらないコミュニケーションツールとしての効果も

アシックスウォーキングでは前年同時期にも別モデルでのDM施策を行っていたが、今回のモデルではより詳細なセグメント化によるDMを発送した結果、前年比142.9%の購買者数を記録。優良顧客セグメントのレスポンスも15.8%と高く、EC購入率では通常の2~5%台を大きく上回る8.1%となった。
店舗にはDMを持参する人や目的買いの来店も多く、設定した販売計画数を上回る販売数を達成した。店頭での接客トーク集は店舗スタッフの協力も得て作成した。「一緒にトーク集をつくったメンバーが各店舗で販売ムーブメントをリードする存在となったことで、より販売数を伸ばすことができましたし、私たちマーケティング部門が店舗とコミュニケーションを取るきっかけになっただけではなく、お客さまと販売スタッフのコミュニケーションを生み出すという、DMにとどまらない体験になったと感じています」(髙岡氏)。
富士フイルムビジネスイノベーションの森村貴志氏も「PEDALA RIDEWALK 2という靴は試着することでより良さが実感できる商品なので、家で擬似体験した上で店舗へ行ってみようと思わせる良い買い物体験の一部として機能させることができたのではないか」と評価した。

本記事は『事例で学ぶ成功するDMの極意 全日本DM大賞年鑑2026』(編集:株式会社宣伝会議/編集協力:日本郵便株式会社)の記事を転載したものです。

https://www.dm-award.jp/books.html

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