REPORT Vol.39【事務局キャラバン】トヨタファイナンス
2025年11月 4日
全国各地のDM活用企業に向けてキャラバンを実施
全日本DM大賞事務局では、各社/団体のDM制作に込めた思いや背景をインタビューするキャラバンを実施しています。今回は、トヨタファイナンス CX本部 デジタルマーケティング部の岡本様、大南様、水野様に取材しました。
インタビュー
同社では、レクサスカードの新規加入の促進を目的としたDMを発送。販売店で案内を行っていたスタッフの負荷軽減とお客様への機会損失解消に成功しました。今回の取材では、施策の実施背景や発送後の反響を中心にお話を伺いました。
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レクサスカードの新規加入の促進を目的としたDM |
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DMの活用状況について |
普段はどのような目的のDMを発送していますか?
岡本様:2023年にレクサスオーナー様との関係性強化を目的とした全社プロジェクトが立ち上がって以降、レクサスカードへのお申し込みを促すDMを年2回ほどのペースで発送していました。他には、セキュリティ強化の観点から既存顧客にメールアドレスをご登録いただくDMや、メールでご連絡がつかない方に対する利用促進を目的としたDMを年に2回ほど送っています。発送時期はものによって異なりますが、レクサスに関するDMであれば、車が売れる年末や3月に合わせています。
DMのデザインは内製しているのですか?それとも、協力会社に依頼していますか?
水野様:私たちが所属するCX本部ではここ数年、デザイン組織の強化を進めていることもあり、社内のデザイングループと社外への依頼が徐々に増えてきています。DMに記載するコンテンツは、私たちマーケティング担当が顧客起点で考案していますが、デザインに落とし込むフェーズでは、社内デザイナーの知見も活かしながら制作を進めています。
DM制作にあたって参考にしているものはありますか?
大南様:同業他社のDMや実際に自分たちが受領したDMは一通りチェックしています。また、メールやWebコンテンツも参照し、私たちが伝えたいメッセージが、意図どおり、お客様に伝わるにはどのような見せ方がいいか検討しています。
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直近で取り組んだDM施策について |
直近で発送したのはどのような課題を解決するために作られたDMでしたか?
岡本様:レクサスカードをまだ持ってない方に対して、入会を訴求するためのDMを制作しました。レクサスカードはレクサスのオーナー様しか入会することができないプラチナカードです。そのため、レクサスの販売店で車の商談する際に、カードへの入会もあわせて提案しているのですが、コロナ禍が明けた頃からレクサスの売り上げが急増したことに伴い、販売店スタッフの手が回らない状況になってきています。それをフォローするため、レクサスのオーナー様向けにDMを発送しました。
様々なメディアがあるなかで、カードの入会促進施策としてDMを採用したのはどのような理由がありましたか?
大南様:通常の施策では、マーケティングオートメーションを使ってカスタマージャーニーに沿ったシナリオを組み、カードが到着したタイミング、カードを使ったタイミング、お客様がwebサイト上のマイページにログインしたタイミングなどで、それぞれ目的に応じたアプローチを展開しています。しかし、メールアドレスの登録がない方も中にはいらっしゃいますので、「レクサスオーナー様であればこんなにメリットのあるカードなんです」ということをより多くのレクサスオーナー様に確実に届けるためにDMを採用しています。情報到達率の高さはDMならではだと思います。
デジタル施策では見逃されてしまう可能性があるので、確実に届けられて手元に情報が残る方法を採用されたんですね。
水野様:新規加入者の中には、DMをお送りしてから1年後に申し込んだ方や、申し込み締め切り後に入会を希望された方もいらっしゃったくらいですので、情報の保存性は重要だと考えています。実は、今回の入会訴求施策には第1弾から第5弾まであって、第1弾と第2弾はメール、第3弾と第4弾はDMで訴求したんです。すると、DMの方がコンバージョンも高く、多くのお客様にご入会をいただくことができました。通常のカードを超える良い結果が現れました。
実際にDMを受け取った方からの反応はいかがでしたか?
大南様:今回のDMを通して入会いただいた方を対象に、コンタクトセンターからお礼と商品案内のフォローコールを実施したのですが、「レクサスが大好きだから入会した」「DMが来るまでレクサスカードを知らなかった」「ちょうどいいタイミングで案内をもらった」といった肯定的なご意見を想定以上にいただきました。お電話の際に入会の動機も伺っているのですが、DMがきっかけだとご回答いただいた方が全体の27%を占めており、このDMを発送した意味があったなと思えました。また、今回のDMにはインセンティブもつけていたのですが、その効果よりもレクサスへのブランド愛やカード機能の充実性を加入理由に挙げていただく方が多く、定性的にも実施効果を感じました。
DMのデザインについて、制作時にこだわったポイントがあれば教えてください。
水野様:手に取った瞬間、レクサスブランドならではの品格や特別感が伝わるように、漆黒を基調とした落ち着きのあるデザインにしています。また、中面には写真とともにサービス概要を並べでいるのですが、こちらはお客様からの声やWebのサービス閲覧状況を元にピックアップしました。DMを読んだ方がレクサスカード入会後に享受いただける価値をイメージしていただけるよう意識して制作しています。パーソナル二次元コードを中面に印刷した点もこだわりです。外面であれば簡単に印刷できるのですが、レクサスブランドとして個人情報への配慮は徹底したいという思いから調整を重ねました。
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(左)加入者から人気のサービスを掲載、(右)パーソナル二次元コードの掲載 |
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DMというメディアの価値について |
皆様の考える「DMの魅力」は何ですか?
水野様:今回のDM施策を通じて、情報の到達率の高さと視認性の良さを実感したので、その2つが特に魅力だと感じています。紙面が送られてくると手に取っていただける可能性が高くなりますし、メールアドレスを保有していない方にも情報を届けることができます。また、レクサスの場合は、ブランドの世界観を大切にしながら紙面を作っていますので、それを見ていただける点もDMならではの良さだと思います。
大南様:私自身、メールで受け取った情報は流し見してしまったり、1回見て終わりになってしまったりすることがあるのですが、DMは手元に残りますので、受け取り手にしっかりと情報を見ていただけるのが魅力だと思います。伝えたいことがある時はDMも効果的だなと、今回の施策を通じて感じました。
岡本様:メールとDMそれぞれの実施効果を比較してみると、やはり圧倒的にDMの方がカードの商品性やサービスの良さが伝わっているなと感じました。実際、加入者のうちDMきっかけという方が27%いらっしゃったので、メールにはない訴求力がDMにはあるのだと思います。また、レクサスのお客様は年齢の高い方が多いので、そういった会員属性との相性の良さも今回のDMの効果につながったのではないかと思います。
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レクサスブランドならではの品格や特別感を表現しつつ、カード加入のメリットを的確に伝えるトヨタファイナンス様のDM。その実施効果から、DMならではの訴求力の高さを再認識することができました。 トヨタファイナンスの皆様、この度はありがとうございました。 |
今後のキャラバンについて
今後も、DM施策に取り組む日本各地の企業を対象に、直近のDM活用事例やその反響といった内容についてインタビューを実施してまいりますのでご期待ください。
第40回 全日本DM大賞について
第40回 全日本DM大賞は、2025年10月31日(当日消印有効)まで作品募集中です。
詳細は、応募概要をご確認ください。




