REPORT Vol.38【事務局キャラバン】白洋舍

2025年10月29日

全国各地のDM活用企業に向けてキャラバンを実施

全日本DM大賞事務局では、各社/団体のDM制作に込めた思いや背景をインタビューするキャラバンを実施しています。今回は、白洋舍のマーケティング戦略推進部長・穐津様からお話を伺いました。

インタビュー

2025年4月に新設されたマーケティング戦略推進部では、DMの企画・制作を含むマーケティング全般の戦略を立案しており、穐津様がその全体を統括しています。今回の取材では、お客さまとの関係構築にあたってどのようにDMを活用しているかお話を伺いしました。

DMの活用状況について

普段はどのような目的のDMを発送していますか?

クリーニング業界は一年の中で繁閑の差が大きいのが特徴で、プロモーションにおいてはタイミングがかなり重要になってきます。特に、3~5月頃の春の衣替えと10~11月頃の秋の衣替えの時期が山場にあたるので、以前はそこを中心にクリーニングの利用促進を目的としたDMを発送していました。現在も引き続き需要期での発送を行っておりますが、より効果的なプロモーションにするため送付対象の条件を絞ってのDM送付も行っています。

DMのデザインは内製しているのですか?それとも、協力会社に依頼していますか?

基本的には印刷会社やデザイン会社に依頼しています。DMの品質向上を目指して、内容や目的に応じて発注先を検討するようになりました。インターネットの掲載事例や自宅に届いた他社のDMを参考にしつつ、チーム内でデータを蓄積・分析してディレクションに活かしています。

春と秋の衣替え時期にDM施策を強化しているというお話でしたが、それらを含めて1年におおよそ何パターンのDMを送っていますか?

来店促進を目的としたDMについては、春用と秋用を発送しているほか、年によっては年末の時期にも発送していました。それから、ポジティブな内容ではないですが、閉店などの重要な内容は該当店舗の利用者宛てにDMでお知らせしていました。現在はアプリでのコミュニケーション強化を推進している影響もあり、以前と比較すると紙媒体のDMでのプロモーション頻度は減少している状況ですが、伝えたい情報に応じて、紙で送るのかデジタルで発信するのかのバランスを検討していきたいです。

直近で取り組んだDM施策について

直近で発送したのはどのような目的のDMでしたか?

休眠顧客の掘り起こしを目的としたDMを2025年6月に発送しました。ターゲットは、前年に白洋舍を利用したけれども、今年は衣替えの時期も含めて未利用だったお客さまです。通常であれば春先の時期に発送していましたが、今年の3月下旬~4月初旬は記録的な寒さだったので、衣替えでクリーニングに持ち込むタイミングを逃してしまう方が多く、客足が鈍い状況でした。そこで、時期をずらした6月に、クリーニングをしそびれたお客さまに対して利用を促すDMを制作しました。

2025年6月に発送された白洋舍のDM

アプリの活用を推進する中で、休眠顧客の掘り起こしにDMを採用したのはどのような理由がありましたか?

アプリの利用者は若年のお客さまが多い状況で、ご高齢になればなるほど登録率が低い状況です。そのため、ターゲット全体に対して確実にメッセージを届けたいという考えからDMを採用しました。

DM発送後の効果はどうでしたか?

DMに掲載したクーポンコードで来店数をカウントしていたのですが、発送数に対して約4%の方から店舗のご利用がありました。また、その後の継続利用率も算出したところ、4%の利用者のうち約15%の方が再来店されていました。アプリでもクーポンを配布しましたが、反応率はDMの方がやや高かったので、DMを通じてお客さまとの関係性の掘り起こしにつながったことを実感しました。

DMのクリエイティブにおいて特にこだわったのはどのような点でしょうか?

情報を詰め込まず、全体的にシンプルなDMになるよう心掛けました。今回は発送先のターゲットが明確だったので、受け取り手の視点に立ち、インサイトをついたコピーとお得感が伝わるようなデザインを採用しました。また、「5%OFF」を目立たせたり、クリーニング店から届いたことがわかるような画像を使用したりするなど、掲載内容を分かりやすくしたことも工夫したポイントです。

DMというメディアの価値について

穐津様の考える「DMの魅力」は何ですか?

手に取ってもらえる確実性がある媒体であることは、他の媒体とは代えがたい魅力だと思います。デジタル施策はコミュニケーションが無機質になりやすいのに対し、DMであれば紙の手触りなどを通じて温かみも表現することができます。クリーニング業界は、顧客とのウェットなつながりや関係性を重視していますので、年齢層が高いお客さまのご利用も多い我々の会社からすると親和性の高い媒体だと捉えています。郵送費の値上がりなどコスト面での懸念もありますが、他の媒体とうまく併用しつつ、ここぞという時に活用を検討していきたいです。

受け取り手の視点に立ち、伝えたいメッセージが確実に伝わるよう工夫が施された白洋舍様のDM。クリーニング業界ならではのDM活用傾向についても伺うことができました。

白洋舍様、この度はありがとうございました。ぜひ全日本DM大賞へのご応募もお待ちしております!

今後のキャラバンについて

今後も、DM施策に取り組む日本各地の企業を対象に、直近のDM活用事例やその反響といった内容についてインタビューを実施してまいりますのでご期待ください。

第40回 全日本DM大賞について

第40回 全日本DM大賞は、2025年10月31日(当日消印有効)まで作品募集中です。
詳細は、応募概要をご確認ください。

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