REPORT Vol.31【事務局キャラバン】HOYAビジョンケアカンパニー/イムラ

2024年10月23日

全国各地のDM活用企業に向けてキャラバンを実施

全日本DM大賞事務局では、各社/団体のDM制作に込めた思いや背景をインタビューするキャラバンを実施しています。今回は、第38回で銀賞を受賞したHOYAビジョンケアカンパニーとイムラの皆様からお話を伺いました。

銀賞受賞企業にインタビュー

メガネレンズメーカーであるHOYAビジョンケアカンパニーは、調光レンズの認知度向上を目的としたDMで、第38回のDM大賞において銀賞を受賞。今回の取材では、同社のプロモーション企画課から3名、制作者のイムラから2名にご参加いただき、受賞作品の制作背景やDM活用への想いについてお伺いしました。

(右)広告主:HOYAビジョンケアカンパニー 近藤様/(左)制作者:イムラ 伊集院様

受賞作品の制作背景について

銀賞を受賞した「調光レンズ売上過去最高を達成 紫外線で色が変わるDM」は、どのような目的で制作されましたか?

HOYA様:海外では調光レンズの利用率が高いですが、日本国内での利用率はまだまだ伸び悩んでいます。そこで、調光レンズがどのような商品か知っていただくために、レンズの新色が登場するタイミングでDMを制作しました。レンズの機能をしっかり伝えるうえで普通のハガキを出すだけでは面白くないと思い、目立つもので印象づけたいとイムラさんに伝えたところ、紫外線でインクが発色する仕組みの印刷技法があると教えてもらってこのDMができました。

様々なカラー展開のある調光レンズサンプル

実物を拝見した時、通常のハガキよりも縦長な形状に対して視覚的な驚きがありました。形状にはどのようなこだわりがありますか?

HOYA様:通常のハガキよりもあえて大きなサイズにすることで、できるだけ他のDMに埋もれないようにしたいという考えがありました。また、大きなサイズにしたことの付随的なメリットとして、販売店側で掲載内容のアレンジがしやすかった点も良かったと思います。実は、当社が制作しているのは裏面のみで、宛名面は販売店で顧客情報やキャンペーン情報を追記してもらっています。HOYA営業マンと販売店の間でどんな出し方をするか話し合って初めて成り立つDMなので、掲載できる情報が増えたことも効果につながった要因ではないかと思います。

販売店経由での発送後、どのような反響・効果がありましたか?

HOYA様:紫外線を当てると色が変わるというシンプルな機能のDMだったので、販売店側で活用しやすかったという声を聞きました。また、数値的な効果として、売り上げもそうですが、DMに掲載した二次元コードからYouTubeへのアクセスが急増しました。今年度はホームページへのアクセスも増え、調光レンズについてお客様にしっかり調べていただけたのではという実感があります。

制作においてこだわったポイントについて

調光レンズの疑似体験やデジタルとの連動など、シンプルな形状の中で工夫が凝らされているDMですが、制作において特にこだわったポイントはどこですか?

イムラ様:DMをパッと見た時の、仕掛けの分かりやすさは大切にしています。今回のDMで言うと、世の中的に調光レンズが注目され始めてきたタイミングで発送したものだったので、「レンズの色の変化を試してみたい」「手に取ってみたい」と思ってもらえるよう、体験価値が上がるようなクリエイティブを心掛けました。また、感紫外線印刷という技法がこれほどマッチする商品はなかなかないので、これはHOYA様のDMで使用するしかないという意気込みもありました。

調光レンズ売上過去最高を達成 紫外線で色が変わるDM
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DM大賞においては、そういった制作上のポイントをいかにエントリーシートで表現できるかが評価のカギを握っています。エントリーシートの作成時に気をつけたことがあれば教えてください。

イムラ様:一番は、DMの受け取り手にどう届いてどう見られるかを意識して作ったという裏側をしっかりと書くようにしていることですね。もちろんコストパフォーマンスも重要な要素ではあるので、施策全体でどのような結果が得られたかにも触れながら、どうすればDMに込めた思いが伝わるかをHOYA様ともディスカッションさせていただきながら、一緒に考えていくというスタンスで作成しています。

DM活用の現状と今後の展望について

HOYA様は、販売店を介してお客様にレンズを販売するというビジネスモデルですが、販売店で活用してもらうためのDMは以前から制作されていたのですか?

HOYA様:はい、以前から制作しています。たとえば、ハガキの場合はアフターサービスにフォーカスしたものもありますし、商品情報を掲載したものもあります。ニーズがあるものを制作し、必要に応じて販売提供しているという状況です。特にシニアの年代の方に情報をお届けしたい場合は、デジタルよりアナログの郵送物の方がしっかり見てもらえるのではないかと思い、DMの活用を続けています。

受賞作品の企画・制作を通じて再認識した、「DMならではの良さ」は何ですか?

HOYA様:郵送費の値上がりに伴って、逆にDMというメディアの存在価値が高まっていると考えています。紙で届けるからこそ、受け取り手に「重要なものが届いたんだ」と判断されやすくなるので、本当に来店してほしい方に対して丁寧なコミュニケーションができるようにきちんとした内容・形状で制作すれば、売上増加に向けてまだまだ有効なメディアだと思います。デジタルともうまく融合させて活用していきたいです。

イムラ様: DMは思いが込められるメディアだと考えています。現代の若者は自分宛てに郵送物が届くという経験が少ないので、いざ届くと「特別なものが届いた」と感じたり、嬉しい気持ちになったりするそうです。それはまさにDMに注目してもらうチャンスだと思うので、しっかりと伝えたいメッセージを載せて、ストーリーも含めて届けられるものを制作するよう意識しています。もちろんデジタルの良さもありますので、発送タイミングに合わせたマーケティング施策を組み合わせて、一緒に進化していけたらいいなと考えています。

最後に、今後はどのような目的でDMを活用していきたいか教えてください。

HOYA様:販売店のニーズを聞いて判断することになるとは思いますが、メガネレンズの解説やちょっとしたノウハウを掲載しつつ、販売店の宣伝も行えるような保存性のある冊子の制作は構想しているところです。アフターサービス系のDMも引き続き必要だと思うので、イムラさんからもアドバイスをもらいつつ、今作っているもののブラッシュアップをしていくことも大切だと思っています。

販売店からのニーズや、受け取り手の体験価値が上がるようなクリエイティブにこだわって制作されたHOYAビジョンケアカンパニーのDM。世の中の動きを捉えた、DMというメディアならではの価値についても熱いメッセージをいただきました。
HOYAビジョンケアカンパニー、イムラの皆様、この度はありがとうございました。ぜひ第39回全日本DM大賞へのご応募もお待ちしております!

今後のキャラバンについて

今後も、DM施策に取り組む日本各地の企業を対象に、直近のDM活用事例やその反響といった内容についてインタビューを実施してまいりますのでご期待ください。

第39回 全日本DM大賞について

第39回 全日本DM大賞は、2024年10月31日(当日消印有効)まで作品募集中です。
詳細は、応募概要をご確認ください。

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