REPORT Vol.29【事務局キャラバン】KDDI
2024年10月11日
全国各地のDM活用企業に向けてキャラバンを実施
全日本DM大賞事務局では、各社/団体のDM制作に込めた思いや背景をインタビューするキャラバンを実施しています。今回は、KDDIにご訪問し、パーソナル事業推進部 の服部様、安間様からお話を伺いました。
インタビュー
お二人が所属するサービス開発グループでは、「auひかり」の既存のお客さま向けのプロモーション施策を実施しています。DMの企画・デザインのコンセプトは社内で立案しており、2023年にはDM施策の実施効果の向上をはかるために研修を行うなど、活用を推進されています。今回の取材では、研修を通じて得られた成果や、研修後のDM制作事例についてお話を伺いました。
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Q1.DM研修を通じて得られた成果とは |
DM研修を実施したのにはどのような背景がありましたか?
2023年度にDM施策を実施する方向性は決まっていたので、その前に自分たちのDMを見直す機会を作ろうと思ったことがきっかけです。2022年12月から翌年1月にかけて、計4回の研修を実施しました。1回目は「様々なDM(成功事例・失敗事例)」、2回目は「企画立案・クリエイティブ」、3回目は「計画とPDCAサイクル、効果測定」、4回目は「演習:既存DMの改善」というテーマで、実物やワークショップを通じて学びました。また、商品の売り方が変わってきたのも実施背景の一つです。店頭で扱う商品が多様化する中ですべての商品を紹介することが難しくなってきたため、アフターコントラクト(契約後にお客さまへアプローチする)手法として、DMでのアプローチが有効なのではないかと考えました。
研修を終えて、どのような成果が得られたと思いますか?
相手に響くDMはどのようなものかを考えて制作するようになりました。以前は、ブランドカラーであるオレンジをふんだんに使用し、DMにあらゆる情報を詰め込んでいたのですが、重要な箇所がわかりづらくなってしまうという課題がありました。研修で学んだ、申込み手続きの簡略化や、情報の軽量化を意識することで、お客さまからの反応率を上げることができました。
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Q2.DM研修後の制作事例について |
研修で学んだことが活かされた制作事例を教えてください。
2023年に実施した、旧規格のWi-Fiを搭載している宅内機器(ホームゲートウェイ)を新しいWi-Fiの機器に交換を促すDM施策です。宅内の無線LANのエリアを拡張するアップセルのメニューも一緒に掲載しました。100万を超えるDMを発送した結果、8%を超える申し込みを頂きました。(交換のみ5%、アップセル3%)。長くご契約してくださっているお客さまへのアプローチではありましたが、これはデジタル施策のみでは出なかった数値だと思います。
(左)研修前に制作されたDM、(右)研修後に制作されたDM |
すごい数値ですね。制作にあたってどのようなところを工夫しましたか?
掲載内容の工夫としては、申込み方法を簡便にしました。以前は往復はがきで受け付けていたのですが、返送を手間に感じられてしまったのか、当時はコンバージョン率が伸び悩みました。今回は、認証フリーで、DMに書いてあるキーコードとお客様の契約番号を入力するだけで申込みできるようにしました。また、「交換してアップセルサービスをご利用いただければ変更手続きの料金を無料にします」というオファーも付けましたので、お金がかかるという理由で手続きを踏みとどまっていたお客さまにも響いたようです。クリエイティブについては、「auひかりをご利用中の特別なお客様へ」というメッセージを添え、特別感を出すことで開封率を上げる仕掛けを取り入れました。
この結果はデジタルでは出なかった数値だとお話しいただきましたが、コミュニケーション手法としてDMを採用したのはなぜですか?
居住情報は正確性が高いので、当社のauひかりサービスとの親和性が高いということもありDMを採用しています。また、auひかりはインターネット回線サービスなので、世帯単位で契約することから、契約者は年代が高めの方が多く、メールよりも紙での訴求の方がメッセージに信頼性を感じてもらえるのではないかと考えています。
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Q3.DMに対する今後の抱負をお聞かせください。 |
貴社のサービス訴求において、DMを活用して良かったと思うのはどういうところですか?
直接的に紙で情報を届けられ、信頼性をもってメニューの提案ができるという点ですね。当社サービスの顧客層とも媒体に親和性があると思っています。また、SNSではよくフィッシング詐欺が問題になっていますが、DMであれば安心感を持って見ていただけるのか、開封率が高いように思います。
今後もDMの活用を推進していく方針ですか?
お客さまに長くご利用いただくために、アフターコントラクトの手法として、引き続きお客さまに新たな価値を提案する手法として活用していきたいと思います。
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情報の軽量化や特別感のあるクリエイティブなど、研修で学んだことを活かしてブラッシュアップを続ける「auひかり」のDM。発送した曜日別の反応率を調べて効果検証を行うなど、さらなる実施効果の向上が期待できるような取り組みについてもお話を伺うことができました。 |
今後のキャラバンについて
今後も、DM施策に取り組む日本各地の企業を対象に、直近のDM活用事例やその反響といった内容についてインタビューを実施してまいりますのでご期待ください。
第39回 全日本DM大賞について
第39回 全日本DM大賞は、2024年10月31日(当日消印有効)まで作品募集中です。
詳細は、応募概要をご確認ください。