REPORT Vol.25【事務局キャラバン】甲南女子学園
2022年10月 7日
全国各地のDM活用企業に向けてキャラバンを実施
DM大賞事務局では、各社/団体のDM制作に込めた思いや背景をインタビューするキャラバンを実施しています。第4弾となる今回は、甲南女子学園にご訪問し、広報課の皆様からお話を伺いました。
甲南女子学園
甲南女子学園は、甲南女子大学をはじめ、中学校・高等学校・大学院で構成される総合女子学園です。今回取材した塩谷様、田坂様は学園・大学の広報を担当しています。入学者を増やすための入試広報、同窓生や保護者に向けて発信する大学広報など、複数のステークホルダーに対して広報活動を実施する中で、どのようにDMを活用しているか伺いました。
Q1.DMの制作体制について教えてください |
大学のDMと言うと、近郊エリアで配布するチラシや卒業生向けのDMが思い浮かびますが、甲南女子大学ではどのようなDMを制作していますか?
メインは入試広報のDMで、大学全体で、年に5~6回ほど制作しています。他には、同窓生向けで「甲南女子Letter」という広報誌を年に1回のペースで発行したり、在学生と保護者向けに「大学だより」という学生生活を伝える冊子DMを作ったりしています。
学生生活を知らせるDMがあると親御さんも安心しそうですね。ちなみに、「甲南女子 Letter」にはどういった内容が掲載されているんですか?
たとえば、大学の各学科での活動や学生食堂のグルメ事情など、懐かしい話題を切り口に、近況を伝えるような内容ですね。「甲南女子Letter」は、大学に限らず甲南女子学園全体の同窓生に向けて発送しているので、中学・高校・同窓会事務局の担当と連携して、中高の文化祭や体育大会の開催レポートであったり、大学祭がいつどんな内容で開催されるかなど、季節的なトピックも掲載しています。
「甲南女子Letter」はどういった目的で制作していますか?たとえば、卒業生が自分の子どもも甲南女子学園に進学させたいと感じるような愛着促進のためでしょうか?
一番は、いつまでも母校愛を持ってもらうために身近な存在でありたいという思いが大きいです。女子大ならではの特徴かもしれませんが、学生と先生との繋がりが深く、社会人になっても悩みがあるとゼミの先生に相談に来るという話はよく聞きます。10月に実施しているホームカミングデーという同窓生向けイベントをはじめ、いつまでも甲南女子大学、甲南女子学園は同窓生にとっても身近な存在であることを伝えていきたいです。
そういったDMは広報課の皆さんで内製されているんですか?それとも、協力会社に依頼していますか?
協力会社がいます。掲載内容やデザインイメージは学内の担当者がディレクションしています。他大学が作っているDMは参考資料として頻繁にチェックしていますね。
ディレクションする際に、コンテンツやデザインでこだわっているポイントはありますか?
ケースバイケースではありますが、オープンキャンパスのDMで言うと、高校生は4月から9月くらいにかけてオープンキャンパスに行くとモチベーションが上がるので、その時期に「面白そうだからとりあえず行ってみよう」という行動の動機付けになるよう過去のアンケートや外部の様々なデータなどから掲載コンテンツを検討したり、高校生に行なってほしい行動のための導線設計や、知りたい情報が漏れなく掲載されているかにも気を配ったりしています。
Q2.DM施策の反響について教えてください。 |
直近のDM施策で、数値的な効果がでたものや反響の大きかったものはありますか?
数値的な効果で言うと、QRコードでパラメータをつけて計測し、どれくらいアクセスがあったか、オープンキャンパスの申込みをコンバージョンとしてどれくらい新規獲得できたかなど、日々数字を見る体制が今年度ようやく整いました。オープンキャンパスの来場促進を目的に潜在顧客をターゲットにDMを発送したのですが、反応率が0.6%で、計測できる人数だけでも150人近くの高校生が実際に来場しました。DM発送エリアの高校生に関しては、今年6月~9月のオープンキャンパスが初めての接触機会となった来場者が昨年に比べて139%増えたことで新規層の獲得ができており、DMの効果を実感しています。
具体的な発送先はどのように分類していますか?
大きくは2種類あります。1つは、既にイベント参加や何らかの媒体経由で資料請求されたことのある方(見込み顧客)に対して、オープンキャンパスの来場促進や出願促進のDMを送るパターン。もう1つは、受験情報誌や受験情報サイトで他大学の資料請求はしているものの、本学との接点がない方に対して、本学への認知〜興味関心獲得、来場促進のためにDMを送るパターンです。
実際に制作したDMを拝見させてください。
オウンドメディア「シーソー」の記事を抜粋した冊子を送付。在学生が記事に赤入れしたコンテンツを掲載することで学生のリアルな声を伝えている。他大学の大学案内資料に埋もれないよう、大学案内とは異なる仕様で制作し、大学案内配送後のフォロー資料としてタイミングをずらして届けていることがポイント。
Q3.DMというメディアへの期待についてお聞かせください。 |
デジタル広告などコミュニケーションの選択肢が増える中で、どのような理由でDMというメディアを活用していますか?
入試広報の場合、ターゲットとなる受験生はWebと紙の両方で情報を取得しているので、デジタル施策もDMなどの紙メディアも、どちらも欠かせません。DM単体で完結する施策としてでなく、リアルイベントへの送客や、webサイトや動画などのデジタルコンテンツへの誘導など、デジタルとリアルを横断してコミュニケーションするためのきっかけとなるタッチポイントとして、DMを活用しています。
また、100ページ以上ある大学案内もデジタル化する学校が徐々に増えてきていますが、ユーザビリティを考えると紙の方が読みやすいのではないかと考えているので、本学の場合は紙メディアとしての有用性を追求しています。
最後に、DMならではの「良さ」はどういったところにあると思いますか?
今年から効果検証ができ始めたことで、改めて紙の保存性による効果に実感があります。基本的に、ダイレクトメールの効果のピークは発送から2~3日後と言われていますが、ある程度の日数経過後であっても継続的にQRコードからの流入がありました。また、出願期の前には受験応援グッズをつけてDMを発送することもあるのですが、受験日まで手元にとっていてくれていたり、モチベーションを保つために机に飾ってくれたりという声も聞くので、中長期的にコミュニケーションが取れるところはDMならではの良さですね。
受験生、同窓生、在学生など、ステークホルダーごとにDM送付の目的は異なりますが、紙メディアならではの温かみ、保存性、有用性を活かして、それぞれのシーンで効果を発揮している甲南女子学園のDM。甲南女子大学、甲南女子学園が身近な存在であることを伝えていきたいという熱い想いを伺うことができました。
甲南女子学園の皆様、この度はありがとうございました。 ぜひ第37回全日本DM大賞へのご応募をお待ちしております!
今後のキャラバンについて
今後も、DM施策に取り組む日本各地の企業を対象に、直近のDM活用事例やその反響といった内容についてインタビューを実施してまいりますのでご期待ください。
第37回 全日本DM大賞について
第37回 全日本DM大賞は、2022年10月31日(当日消印有効)まで作品募集中です。詳細は、応募概要をご確認ください。