REPORT Vol.22 エントリーシート書き方の必勝法②

2022年 9月27日

第36回 全日本DM大賞 受賞企業のエントリーシートを徹底解説します

最終審査委員を務める、マーケティングコンサルタントの明石智子氏、株式会社売れるネット広告社代表取締役社長CEOの加藤公一レオ氏が、受賞企業のエントリーシートを徹底解説。第2弾となる今回は、金賞グランプリを受賞した株式会社イムラ封筒のDMにスポットを当て、書き方のコツや加点ポイントをお伝えします。

金賞グランプリ受賞!気軽に相談できる”カフェ”オープン無形商材の営業活動に活路開く
認知拡大&新規獲得!toB向けカフェ風DM

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STEP1「実施概要」の書き方

明石氏: 「作品名」は、DMを使用した目的と、どのようなDMであるかが明記され、分かりやすくまとまっていますね。「実施概要」は、このように箇条書きになっていると、とても読みやすいです。その中で、「目的・背景」には、課題とそれに対する打ち手が明確に書かれていて、「工夫・苦労」には、コンセプトと、それに沿って考えたシナリオが書かれています。審査ではシナリオも大事なポイントになりますので、このようにしっかりと書き込んでほしいと思います。また、他社との差別化を図ったことや、BtoBだからこその豪華な仕様であることなど、工夫を書いていただくのも非常に有効です。さらに、BtoBで4件の新規獲得という素晴らしい成果が上がっているので、それもきちんとアピールされていますね。

加藤氏: :審査員の興味を引くのであれば、「作品名」はもう少し工夫して、インターネットのバナー広告のように「どういうことなのだろう」と思わせることが大事です。このDMは、BtoBでお堅いDMになりがちなところを、あえてカフェ風というコンセプトにしたところが面白いので、たとえば『BtoBのDMはお堅い?あえてカフェ風DMに』というように先をチラリと見せながら焦らすと、より強く興味を持って先を読んでもらうことができるでしょう。「ターゲット」は、具体的でいいですね。

STEP2「実施効果(定量・定性)」の書き方

※非公開情報にはモザイク処理を加えております。

明石氏: 「費用項目」は、制作から発送、バックメールの処理にかかったコストまで含められていて、まさに理想形だと言えます。「実施効果」も、顧客LTVまできちんと全項目埋められていますね。「DMによって得られた効果、お客様の声」で挙げていただいた声からは、今までとは違うことができる会社なのだと感じ取ってもらえたことが分かります。また、会社のビジネス領域の拡大や、新規営業の効率アップにもつながったとありますが、このようにビジネスに変化があった点や、どのように効率化につながったかということも書いていただけると、非常に審査の参考になります。

加藤氏: 審査員の中には、クリエイティブ系を専門とする人もいれば、普段は主にデジタルに携わっているために数字を厳しく見ている人もいます。「DMによって得られた効果、お客様の声」には定性的な内容の記載が多いのですが、そこに数字も含めて、定量的な成果のアピールもどんどんしてほしいですね。

STEP3「マーケティング戦略」の書き方

明石氏: 何を解決したいのか、それに対してDMを使うことでどのような成果が得られたのかということが、具体的にアピールできています。

加藤氏: これはすべての記述項目に通ずることですが、課題から書くのではなく、結論から書くようにしてほしいと思います。そうすることで、審査員にとって内容の理解がしやすくなります。

STEP4「クリエイティブ」の書き方

明石氏: コンセプトに沿ってシナリオがしっかり組み立てられていることが伝わってきます。トーン&マナーについても、BtoBのDMは何かと堅くなりがちであるところを、このDMでは入っていきやすく、みんなに見せたくなるようなものにしたということが語られています。「クリエイティブ」では、そういったことを紹介していただけるといいかなと思います。

加藤氏: 「クリエイティブ」の項目は、DMの実物を見ながら、その補足情報として読んでいきます。そのため、封筒を開けてその中身を取り出し、一つずつ見ていくという順番通りに解説がなされていると、とても読みやすく感じます。このシートでは、まさに封筒を手に取るところから、最終的にCTAに行き着くところまで順番に説明されていて、とても良いですね。

STEP5「その他」で補足するとよい情報の書き方

明石氏: 「クロスメディア」では、ブログやTwitterを同時に展開し、そこからも成果が上がったことが具体的な数値とともに紹介されています。また、「DM紙面のPDF版も作成し、リモート業務中の担当者へはメールで送付した」という一文には、BtoBだからこそこういった活用の仕方もあるのだなと感心しました。このように、DM以外のところにも改めて目を向け、連動して実行したことと、具体的な成果を書いていただけるといいと思います。

加藤氏: 「その他」について、ここで書かれているのは、「BtoBではDMよりもテレアポを使うことが多いけれど、DMは住所さえあれば社長やマーケティング担当者などの決裁者に直接送れるため、他の媒体と差が付けられる」ということ。ここでの仮想の敵は間違いなくテレアポなので、そのテレアポに対してDMをどのような思いで活用し、実際にどうだったのかということがもっと書かれていると良かったなと思います。

まとめ

株式会社イムラ封筒のエントリーシートでは、「コンセプトに沿ってシナリオがしっかり組み立てられている点」、「実施概要に、数値的な効果含めアピールポイントが簡潔にまとめられている点」、「DM施策を実施したことによるビジネス上の変化が書かれている点」が特に評価されていました。
これから応募予定の皆様は、エントリーシート記入の際にご活用ください。

第37回 全日本DM大賞について

第37回 全日本DM大賞は、2022年10月31日(当日消印有効)まで作品募集中です。 詳細は、応募概要をご確認ください。

エントリーシート書き方の必勝法

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