REPORT Vol.19 【事務局キャラバン】アトリエ崇藝庵

2022年 6月16日

第37回 全日本DM大賞の開催に向けてキャラバンを開始

DM大賞事務局では、各社/団体のDM制作に込めた思いや背景をインタビューするキャラバンを開始しました。第1弾となる今回は、第35回で日本郵便特別賞を受賞したアトリエ崇藝庵の戸田 勝さんからお話を伺いました。

アトリエ崇藝庵 代表 戸田 勝さん

40歳まで都内でデザイナーとして勤務し、コピー制作や撮影など含めて広く販促業務に携わる。その後、家庭の都合で出身の山口に戻ってから画家として活動を開始。書を綴る中で、冷暖房がきいた部屋での創作活動に行き詰まり、数年後に奈良へ移住した。 現在は、野迫川村のアトリエ「崇藝庵」で世界遺産水彩画シリーズ、山頭火句書画など幅広く創作活動を行っている。DM大賞には過去金賞、日本郵便特別賞など、複数の賞を受賞している。

アトリエ崇藝庵

DM大賞の応募について

ー今まで計5回、DM大賞にご応募いただきましたが、最初にDM大賞を知ったきっかけは何でしたか?

戸田氏:とある地域整備公団のDMに制作者として携わった際に、金賞を受賞したことがきっかけです。そこでDM大賞に関心をもち、第12回の開催時には自らが応募者として初めて応募しました。その時は週めくりのカレンダーDMで作品応募し、郵務局長賞をいただきました。

ー「カレンダーDM」は継続的に制作されているんですか?

戸田氏:はい。カレンダーの制作もそうですし、私自身もともと葉書が好きで、絵手紙を毎日1枚書くことをノルマにしています。絵はデジタルではないので、コミュニケ―ションもできる限りデジタルではない世界で、という思いがあります。

基本的に「DM」というと、数値的効果を求められることが多いですが、崇藝庵では「物を売るのではなく幸せを売る」という基本理念のもと、絵の世界でお客さんとのつながりを深めていくことを目的としてDMを制作しています。受け取ったお客さんの感動が結果、という考え方ですね。

第35回で日本郵便特別賞 ブランディング部門を受賞した「アートカレンダー」について

第35回 全日本DM大賞
日本郵便特別賞 ブランディング部門受賞
アトリエ崇藝庵 一年間効くDM 希望と感謝の「アートカレンダー」

ー世界遺産と、自由律俳人・種田山頭火の作品が楽しめるアートカレンダーということで、戸田さんが山頭火の句を作品の中で綴るようになったきっかけを教えてください。

戸田氏:山頭火の日記に残された俳句作りに関する一節「感動なくして制作するなかれ。ホントウの句は下手でもよろしいが、ウソの句は上手でも駄目。」という言葉に共感したことがきっかけです。上辺だけ上手に見せても作者の感動がなければ良い作品とは言えず、それは絵に置き換えても同様のことが言えます。ですので、DMも、受け取った人の感情がどうかということを常に考えています。

ー実際、受け取られたお客様から、喜びの声が大きかったと伺いました。

戸田氏:はい。こちらは崇藝庵で絵画を購入された方、企画展の来場者など絵画に興味を持っている方にお送りしました。すると、受け取られた方の実に9割から手紙やお礼の品をいただきました。お礼をいただいたら、それに対してお返事を書いているので、カレンダーをきっかけに、個々のお客様とのつながりが深まっているように感じます。

ーDMとしてカレンダーを採用されたのはなぜですか?

戸田氏:カレンダーは1年を通して使用するものなので、見るたびに崇藝庵のことを思い返してもらうきっかけとなり、コミュニケーションのツールとして最適と考えています。カレンダーDMの制作は今後も継続していきたいです。

長きにわたって制作を続けられているカレンダーDM。 アトリエ崇藝庵が基本理念として掲げる「物を売るのではなく幸せを売る」という言葉の通り、直接的なコミュニケーションが取りづらい昨今でも、お客様ひとりひとりの感動体験を創出し、繋がりが深められているというDMならではの温かさが感じられるようなお話を伺うことができました。
またDM大賞にチャレンジしてみたいということで、ぜひご応募をお待ちしております!
戸田さん、この度はありがとうございました。

今後のキャラバンについて

今後も、DM施策に取り組む日本各地の企業を対象に、直近のDM活用事例やその反響といった内容についてインタビューを実施してまいりますのでご期待ください。

第37回 全日本DM大賞について

第37回 全日本DM大賞は、2022年9月募集開始予定です。 詳細は、応募概要をご確認ください。

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