REPORT Vol.7

誠意のあるコミュニケーションとは?
DMとデジタルの使い分けを考える

福岡に本社を置く九州通信ネットワークは、九州電力グループの電気通信事業会社。
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワーが実施する「日本固定ブロードバンド回線サービス顧客満足度調査」では3年連続で総合満足度1位となっている。
同社のコミュニケーション戦略を営業企画部 プロモーショングループ長 横山 智克 氏に伺った。

――Webではカバーできないお客さまにDMを送付


九州通信ネットワーク株式会社
営業企画部 プロモーショングループ長 横山 智克 氏

弊社は主に個人のお客さま向けに光回線サービスを展開しています。インターネット、電話、そしてテレビ。この3つが事業の柱になります。最近ではそこに「BBIQスマホ」という格安スマホが加わりました。

以前よりテレビCMを中心に広告活動を展開してきましたが、ここ最近はWebを活用したコミュニケーション、プロモーションに注力しています。Web広告ではリスティング、リターゲティング以外にも動画広告などを活用しつつ、ターゲットにいかにリーチするかの取り組みを進めています。

テレビCMも活用しており、タレントの阿部寛さんを起用してから今年で11年目になり、世間での知名度はあがってきてると思いますが、やはり詳細がわかっていただけないとお客さまには選んでいただけません。

そこで新規のお客さまには、いかにCMからWebへと導き、最終的なコンバージョンにつなげるか、もしくは家電量販店での申し込みにつなげるか、という施策を行ってきました。

その一方、既存のお客さまへの新サービスの告知時にはDMをお送りするケースがあります。会員向けのWebサイトもあり、通常のお知らせはインターネットによる告知がメインですが、新サービスを告知する際は37万人のユーザーからターゲットを絞り、DMを送付しています。
これは後程お話ししますが、DMだからこそ、届く情報があると考えているからです。

――紙媒体ならではのメリットを活かす

これは業界的な特徴かもしれませんが、DMをお送りする際の大きな課題に「主契約者と利用者の相違」があります。弊社は光回線サービスを扱うので主契約者が「世帯主」になることが多い。ところが、実際に使っているのは奥さまやお子さん、祖父母だったりします。

メール通知を選択すると、宛先は主契約者のアドレスになります。ここで本人がサービスを利用していなければ、まず開封してもらえないでしょう。

もちろんDMでも同様の事態は起きますが、リビングのテーブルに置かれれば他の人の目にも触れます。

「キャンペーンのお知らせ!」とか、「新サービス登場!」といった内容のDMを奥さまやお子さんが手に取るかもしれない。すると、メールでは未開封だったものが読まれる可能性が出てきます。

そのため、できるだけ目につくように表紙の形状や開けやすさを工夫し、DMを作成しています。

――開封されるために、ニーズを聞き取る

弊社では2016年4月に法人向けサービスブランド「QT PRO」を立ち上げました。以前は個々の法人向けサービス名称での展開であったのを統合し、個人向けの「BBIQ」と両輪で活動をしています。

「QTPRO」は立ち上げたばかりなので知名度はまだまだですが、法人向けの施策としてDMを試してみています。まずは対象企業を絞り込み、アンケート等でお客さまのニーズを聞き取ります。

法人向けのDMはなかなか読んでいただくのが難しかったりもしますが、ニーズに合った内容が記載されていれば「本当にそうなの?」と興味を持ち始めますよね。例えば「このサービスの導入で効率が2〜3倍上がります!」と言われれば、どういう仕組みでそうなるのかつい見てしまう。それこそがDMが開かれる理由だと思います。

――DMでしかアプローチできないお客さまに真っ正直なメッセージを。

デジタル全盛の時代に、わざわざ紙媒体のDMを選ぶ理由。それは例えばメールでのお知らせだけではなかなか読んでいただけないケースが多いからです。今まで行ってきた施策を比較すると、DMの反応が一番いいと感じています。

もちろん、今後もデジタルマーケティングはますます発展すると思いますが、アナログ媒体でしかアプローチ出来ないお客さまもいらっしゃいます。

そういった人たちには「自分宛にDMが届いている」と認識してもらえるようなクリエイティブが必要です。お客さまからしても、自分が興味のある情報が最適なタイミングで届けば、有益な情報としてインプットしようという可能性は高まるでしょうからね。

Web広告はどんどん新しいものが出ますが、同時にバナー・ブラインドネス(※)的な状況も進んでいく。そうなると広告だとは意識されにくい手法が開発されます。でも、お客さまに広告だと気付かせないやり方って、そもそもコミュニケーションとしてはあまり誠意がない。

その点、DMは真正直です。私たちの会社からあなたに、こんなメリットがあるので送ります。どうか検討してもらえませんか?というメッセージをいろいろな見せ方で工夫する。そこには「だまし」がありません。そういう正直なところがお客さまから好感を持たれる部分なのかな、と思いますね。今後もそれぞれの媒体の特性をしっかりと把握して、活用していけるような施策を行っていきたいと考えています。

※バナー・ブラインドネス:表示されているバナー広告について、ユーザーが自身とは無関係なものとしてバナーを無意識に無視し、Webページを閲覧する状態

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