REPORT Vol.6

「他ではやらないこと」の実践がDMの効果を最大化する

静岡に本社を置くティーライフは、健康茶を中心とした通信販売企業だ。2016年10月には東証一部へと指定となった。順調に業績を伸ばす同社のコミュニケーション戦略を代表取締役 植田伸司 氏と商品企画販売部 次長 藤田 千栄氏、健康食品販売課 担当課長 平井 里衣 氏に伺った。


ティーライフ株式会社
代表取締役社長 植田 伸司 氏


ティーライフ株式会社
商品企画販売部次長 兼 化粧品販売課長 藤田 千栄 氏


ティーライフ株式会社
商品企画販売部 健康食品販売課 担当課長 平井 里衣 氏

――”ファン化”施策で信頼感を築く

弊社は静岡県にある通信販売を行っている会社です。主力になるのは自社企画の健康茶や健康食品、化粧品などです。

昔のお茶の商売は、問屋や小売店抜きには考えられませんでした。それが今ではお客さまにダイレクトに販売できる時代になったので本格的にやってみよう、と考えたわけです。お茶を商材にする以上、静岡には産地としてのブランド力がありますから。

最初は新聞広告やチラシなどで緑茶の新規顧客を集めていたのですが、ある時、販促のために10ページのお茶のカタログを作りました。その最後のページに「ダイエットサポートのお茶」を載せたところ、9ページ割いたお茶よりも、ダイエットサポート茶の方が売り上げが多かった。そこでお客さんのニーズはここにある、と気づいたんです。

その後は、ダイエットサポート茶を売る施策についてすごく考えました。当時、通販の買い物客が一番多かった総合通販会社に行き、チラシの同梱をお願いしました。これが非常に効果を上げ、わずか3〜4年で売上げ額が倍々に増えていきました。

5年くらい経った頃、大手飲料メーカーの参入が始まりました。そこで大量販売方式をやめ、個人のつながりや絆を重視する売り方へと切り替えることにしました。「田舎のおじちゃんが一生懸命やっている」。そんなイメージの会社にしようと考えたのです。

具体的には「伸ちゃん」というキャラクターをつくり、ファン化施策を行いました。似た商品は数あれど、キャラクターは唯一だから売れれば強い。そこで醸成されたお客さまとの信頼関係が今につながっています。

商品に関しては、飲んでいただければ他との違いがすぐにわかります。たとえば、一般的にプーアール茶は「カビ臭い」と言われますが、弊社では数億円かけた機械でカビ臭さを取りのぞく。そうやって輸入したものに一手間かけてお届けする、というのは他ではやっていません。

味についても皆さん、厳しい舌をお持ちでいらっしゃいます。主力商品の「メタボメ茶」は4種の原料を配合したものですが、何度も試作を重ねました。「これなら毎日飲めるし、ご飯と一緒でも大丈夫」。そこまで確信できてから発売したので、本当にリピーターの多いお茶に育ちました。

――大事なのは、人手をかけた「アナログ感」

定期購入される方には、初回のお届け時に「お届け一回目のあなた様へ」というコンテンツを提供します。そこには、他のお客さまの喜びの声やダイエット情報、やせるコツといった内容を載せ、「一緒に続けていきましょう」とご案内するわけです。

既存のお客さまには毎月「さらら」という商品カタログと化粧品カタログをお送りし、さらにセグメントし「ティーライフ通信」を同梱します。これにはプーアール茶の茶畑や工場の安全面に関する視察情報などを載せ、お客さまの信頼を高めることに役立てています。

また、人手をかけた「アナログ感」も大事にしています。お客さまへのお届け時に手書き風のお便りを入れたり、お申込書には通信欄も設けます。お客様がお便りをくれた時には、スタッフが手書きで返信するというわけです。

あとはダイエットグラフを書いて送っていただく企画もやっているのですが、それにご返信して励ますというのも大事なコミュニケーションのひとつです。

電話でご対応する際には、メモを打ち込んで全員が見られるようにします。それによりこういうお客さまからこんな声があったという情報を入れ、別の担当者が電話を受けた時でもご対応できる体制になっています。

こうした様々な試みを続けてきたことで、今では毎日お客さまからお声が100〜200通も届くようになりました。

休眠顧客へのアプローチには、DMを使います。過去3年ぐらいまで遡り、富士山型の封筒を送るなどの工夫を重ねる。お茶と急須をセットにして、お得な「お試しセット」としてご提供するのもそういった施策のひとつですね。

――”ストーリーのある”訴求力が高いメッセージを届ける

お申込みをされるお客さまは、圧倒的に女性が多いです。そこでDMの紙面で「あなたは家庭の健康管理士です」というメッセージを送る。だから旦那さんの健康管理をしてくださいね、と。
奥様が最初に買われて、旦那様にすすめれば消費量は倍になります。また、プーアール茶として販売すると女性向けですが、「メタボメ茶」にすれば家族みんなで飲める、ということが伝わります。

カタログ制作の際にすごく気をつけるのは、「上から目線」にならないことです。
たとえば、販売会社の場合は注文書に「お申込書」と書いてありますが、メーカーが通販をする場合は「注文書」と書いてあることが多い。些細なことですが、たった一言が心理的なハードルを生むこともあるんです。
だからこそ、お便りのご意見をヒントにしてキャッチコピーをつくったりします。お客様の感覚こそが一番強いことを日々実感していますから。

弊社の商品にお金を使ってくださるのは、50〜60代のお客さまが中心です。若い方にはお茶という商品自体、訴求力が低い。だから切り口を変えて「健康増進」といったアプローチをする必要があります。若い人はダイエットに効くものをサプリメント感覚で捉えていますから。

若いお母さんにオススメするのは、産後の母乳育児に役立つ「たんぽぽ茶」。その後の産後太り対策には「ダイエットプーアール茶」を。そこを過ぎると、だんだん旦那さんが中年太りになり始めます。そこで旦那さんには「メタボメ茶」をと、状況の変化に応じてストーリーを考え、スムーズに商品スイッチが行われるようなご提案を心がけています。

――”顧客視点の”ユニークな施策で差別化を図る

あとは、弊社ならではのユニークなDM施策に年に3回おこなう「商品券セール」があります。これは商品券を使ってお買い物ができますよ、というサービス。

基本的には金券を一度郵送していただき、それを申込書に書いていただく。これによって書き損じたハガキでも82円、52円のお金としてご利用できるようになります。

あるいは、古い化粧品や健康食品を3000円のお申込み毎に1個300円で下取りします、というセールも行っています。たとえば、不用品を一個下取りに出せば、3000円の商品が1割引きになりますよね。
普通の1割引きなら大したことはないけど、下取りは価値観を上げるのですごく効くんです。

年末の大掃除で余ったものが捨てられない。でも、使わないのはわかっている。そういうものを引き取って、落としどころを作ってあげる。

これは最初、お茶の下取りから始めた施策です。新しくお茶を買わないのは、手元に古いお茶があるから。それならこちらで引き取れば新しく買えるのではないか、という発想です。

もちろん、ここから利益が出ることはありません。ですが「他ではやらないこと」をやることが他社との差別化を生み、「次もティ―ライフで買おう」という動機につながるんです。不要品を引き取ってもらえれば断捨離にもなって気分がいい。そんな風にお客さまの気持ちに沿った施策を打つのがうちのやり方です。

様々な施策をおこなうたびに、お客さまのご要望が高まることもまた事実です。そこで弊社では社長自らが座談会に出向き、直接話をする場を設けています。
東京や大阪、名古屋に福岡。いろいろな場所に足を運んで様々な声を聞かせていただく。もちろん、そこで上がるご要望のすべてにはご対応できませんが、やるのとやらないのとでは結果が全然違います。

DM施策に連動させてリアルなコミュニケーションの場をつくる。そういった企業としての姿勢を見せることが、今後はすごく重要になってくると思いますね。

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