REPORT Vol.4

eビジネスで得た知見を、DM施策にフル活用。
ターゲティングによりファン化と継続購入をはかる

――消費者接点の基礎をつくる


リンナイ株式会社
営業本部 営業部 eビジネス推進室 課長 亀島 直人氏

弊社は1920年に創業し、主にガス器具の製造販売をしてきました。最近では総合熱エネルギー機器メーカーとして、ガスにとらわれない機器の開発販売に取り組んでいます。

昨今、弊社ではeビジネスの取り組みに力を入れてきました。
2005年に新社長がインターネットビジネスの提案をしたことがきっかけとなり、「R.STYELE(リンナイスタイル)」というWebサイトを立ち上げました。基本的には通信販売をメインに主力のコンロや給湯器ではなく、消耗部品を中心に販売しています。

eビジネス推進室では「ブランドの向上」と「消費者接点を作る」というコンセプトを掲げ、「アフターサービスを通じてリンナイブランドを向上する」という基本方針を設定しました。

エンドユーザーといかに接点を作ってニーズを拾い、商品事業やサービスに活用するか?

メーカーにとってはエンドユーザーとの接点が事業の命運を左右します。ただ、消耗部品だけではなかなか消費者接点は作れません。コンロ周りの商材は一度購入すれば3年から5年は交換の必要がないからです。そこで、商材を増やすためにお掃除用品の販売も始めています。主力の厨房機器に関連したキッチングッズにまでラインナップを広げました。現在では7500点まで取扱商品を拡大しています。

――メルマガ配信が顧客管理の原点

DM施策につながる前身は、08年に本格始動したメールマガジンに遡ります。
「リンナイスタイル」の会員数が着実に増えていったこともあり、会員向けのメルマガをスタートしました。当初はテキストメールを一斉配信していたこともあり、日を重ねるにつれ退会者が増えるのが悩みの種でした。そこで、CRMシステムを導入し、クリック率と購入履歴データの相関関係を分析しターゲットを絞って、メルマガの内容に合った方へ配信するようになりました。より反応のありそうな上位10,000人ぐらいにターゲットを絞ってメルマガを配信したところ、開封率がグンと上がり平均30%以上を維持するようになりました。そしてメルマガの解除率も60%以上低減することができました。

メルマガは月間カレンダーを組んで週に3回ほど送ります。ターゲティング対象者のみだと全く届かない人も出てくるので、適度に一斉配信も挟みます。内容はお掃除や収納についてのコラムがメインなのですが、実は「リンナイスタイル」へのアクセスはこのコラムを経由したものが大部分となります。

また、商品開発へ活かすため、「リンナイスタイル」の会員に月2回ほどアンケートの協力をいただいております。こちらは解答率が非常に高く、一回の送信で一気に5,000件ほど集まります。メーカーへの期待もあるのか非常にいいご意見をいただけています。

――メールマガジンの知見を基に、DMの施策に取り組む。

14年に発売したDELICIA(デリシア)というシステムキッチン用のコンロは、発売時に大きなキャンペーンを行いました。コンロをご購入後Webで応募いただいた方に「もれなくココット、もしくはココットダッチオーブンをプレゼント!」というキャンペーンです。コンロで使うことができるオプション品で、非常に単価が高いプレゼントでしたが、オプション品との組み合わせで、さらに広がるデリシアの利用法があることを世の中に伝えたいという思いもあり、販売促進費を大きく投入しました。

応募条件としてレビューを書いてもらうことにしたのですが、キャンペーンの終了時点で6,000件も投稿をいただきました。また、その中にあった「付属のレシピ数が少ない」というご意見を基に、15年にレシピ本を作ってAmazonで販売することになりました。

そういった経緯でココット・ココットダッチオーブンを活用していただくために、リンナイスタイルに登録があった1万8337人を対象に、メルマガと共にDMをプロモーションに活用しました。既にデリシアを購入していただいた方に対して、それぞれ場合分けをしてプロモーションを行いました。

まずは、レシピ本に関心の高そうなターゲットをメルマガと同様の手法で抽出したところ、2642人が対象となりました。そうしてターゲット・ターゲット以外の分類、メール可・メール不可、さらにメルマガとDM、DMのみ、メルマガのみと8パターンに分けて施策を行いました。

――メールとDMの併用で購入率を高める

その結果、ターゲットの12%の方にレシピ本を購入いただけました。ターゲット以外の方の購入率は2.4%ですから、ターゲット絞り込みはメルマガと同様にDMにも効果があることがわかりました。これにより、DMの反応率が悪いと思われる層を予測し、DMをむやみに送ることがないようになりました。

また、DMとメールの両方を送ったターゲットの購入率が14.7%、ターゲット以外では6%。両方送ることでさらに購買率が高まることもわかりました。これらの結果が示すのは、メルマガを通じてファンになっていただくこと、DMを通じてファンになっていただくこと、どちらのケースも互いの施策を高め合うのに必要だということです。

現在は行動履歴を中心としていますが、今後は購買に関する価値観を分析するツールも導入し、より精密な顧客分析に取り組もうと考えています。

初代デリシアの発売から一定時期が経過しますので、今後は、デリシアの買い替え時期がやってきます。ご満足をいただいている方には、また「デリシア」しか買わないといっていただけるお客様も多いと想定していますので、こうしたロイヤル顧客向けの「デリシアオーナーズクラブ」のようなものも構想しています。

お客さまの声を取り上げることでさらに満足度の高い製品を生む。そうした理想的なサイクルを実現するモデルケースにしていきたいですね。

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