REPORT Vol.3

届けたいのはお客さま一人一人への「パーソナルレター」

開業以来売り上げを伸ばし続けているジェイアール名古屋タカシマヤでは「パーソナルレター」を活用し続けてきた。活用法と背景について、ジェイアール名古屋タカシマヤでお客さまとの接点作りを行う舌氏、成田氏、野中氏に伺った。


株式会社ジェイアール東海髙島屋
販売促進部 広告企画グループ グループマネージャー
舌 康之 氏


株式会社ジェイアール東海髙島屋
総合企画部 顧客政策室 グループマネージャー
成田 裕紀 氏


株式会社ジェイアール東海髙島屋
総合企画部 顧客政策室
野中 かほり 氏

――お客さまに応じた情報を届ける

当店は2000年に開業した名古屋で最後発の百貨店です。昨年15周年を迎え、多くのお客さまとお取引先さまに支えられて、順調に売り上げを伸ばしていくことができました。当店が好調を維持できているのは、ターミナルビルという立地もさることながら品揃え・プロモーションやDM戦略を、お客さま目線でやってきたことが功を奏したと思います。

ジェイアール名古屋タカシマヤでは、店頭以外でもお客さまと多くの接点を持つ為に、紙媒体を有効活用したコミュニケーションに重点を置いて取り組んできました。お客さまと当店をつなぐ橋渡しとなるのが、当店で発行するカードです。ジェイアール名古屋タカシマヤのカード会員さまは約100万人で稼働率は70%ほど。カードにご入会いただくことではじめてお客さまに応じた情報がお届けできるようになります。その情報発信の柱となる媒体が「クラブ・タカシマヤ」です。こちらは送付対象を年間のお買い上げ情報から抽出して、毎月13万人ほどの会員さまへお届けしています。更に、お買い物の内容などに応じてお客さまをセグメントして、別に同封する冊子を変化させるなど、お客さまに応じた旬な情報がお届けできるように工夫しています。

開業当初は、新作情報やイベントのご案内など個々に、DMやカタログを作成してお届けしていました。しかし、それではバラバラの情報がいくつものDMとなってお客さまへ届くことになります。これでは、当店で体験していただけるお買い物のワクワク感が、上手く伝わらないのではと考えました。
そこで、雑誌のようにコンセプトを持って、その月の情報をまとめてお届けすることで、「お買物したい!」「来店したい!」と思っていただけるようにとスタートしました。

とはいえ、百貨店はたくさんの売場を抱えていますので、すべての情報を一つの媒体で網羅できるわけではありません。規模は小さくても特定の売場や商品を大好きでいてくださるコアなお客さまもいらっしゃいます。「クラブ・タカシマヤ」という基幹媒体にプラスして、お客さまに最適な情報をお届けできるようにと、常に工夫しています。

このように、当店からお届けしている紙媒体は膨大な量になります。しかし、膨大な量とは言っても費用と効果を考慮した上で、送付するお客さまを抽出している為、全てのお客さまに情報がお届けできている訳ではありません。また、デジタル化が進み、お客さまの情報の取得方法は多様化しています。そこで今後は、WEB・HP・メルマガなどデジタルツールの活用で、より多くのお客さまへ、そしてそれぞれに最適な情報を最適なメッセージと最適なタイミングで発信できるように考えていくことが、当店の課題です。紙からデジタルへとシフトしなくてはいけない時期がきていると強く感じています。

ただ、当店が開業から取組んでいるお客さま一人一人に応じた手書きによる「パーソナルレター」がなくなることはないと思っています。お客さまと販売員の会話から生まれる接客の延長線上にあるお手紙。これは媒体のデジタル化が進んでも残していきたい大切なコミュニケーションツールだと思っています。

――手書きによって伝えたいもの。

当店では開業以来、手書きによるお手紙の送付を続けてきました。最初はお知らせしたい内容だけを記入したものが多かったのですが、今ではずいぶん手紙としてのクオリティが高くなりました。

こうした手書きのお手紙を他の店舗では「手書きDM」とか「サンキューレター」と呼ぶようです。当店ではパーソナルなお手紙を書いて欲しいという思いから「パーソナルレター」と呼んでいます。

もちろん、手書きなら何でもいいのではなく、お客さま一人一人にあったお手紙を書いてください、とお伝えしています。お客さまの名前が違うだけで中身が一緒では、パーソナルレターではありませんから。こうした取組みは当店オリジナルの取り組みといえるのかもしれません。

フォーマットとしては販売員がお客さまに日々書くお手紙と、季節のご挨拶状、それからフェアの開催に連動させる計3種類があります。デザインは年度ごとに作り換え、飽きない工夫をします。バリエーションはいろいろありますが、内容はすべて手書きにこだわります。

季節のご挨拶の時期は夏と冬。それぞれにご来店時のインセンティブを付けるなど工夫しています。暑中お見舞いは今まで恒例ではなかったのですが、お客さまに喜ばれたのがきっかけで今年も続けさせていただいています。冬はクリスマスカード形式のお手紙ですね。

――「もう一回行きたい」と思っていただける手紙を

内容に関しては、まずはご来店いただいたことへの感謝をお伝えします。それから接客時にお話したことを一言でも二言でも盛り込む。読まれたお客さまがすーっとその場の状況に戻られて「あの時は楽しかったな。もう一回行ってみようか」という気持ちになっていただけるレベルを目指して取組んでいます。

ただ、売り場の皆さんがそういったオペレーションに慣れるまではやはり大変でした。特に若い方は手紙を書き慣れていないので、まずはそこから始めなければなりません。次にチェックしなければいけないのは、お客さまの宛名に「様」が抜けている、などの失礼にあたる事柄。そういった点に特に注意しながら一枚一枚を見ていきます。枚数にすると、少ない時期でも一ヶ月で6,000通ほどになるでしょうか。

パーソナルレターは社員教育ではなく、接客をサポートするツールです。販売員も最初は仕方なく書かされていた部分もあるかもしれませんが、年々効果を感じてくださるようになってきています。

――お客様に喜んでいただける取組みを継続していく

販売員からは限られたスペースにパーソナルな内容をまとめることは難しい、どのように記入すればお客様に気持ちが伝わるか知りたいなどの声が寄せられます。そのため「パーソナルレターの書き方」という講座を開講するなどの支援体制を強化しています。

書き方に正解はありません。誰もがマニュアル的な敬語を使って書くわけにもいきません。中にはとてもフレンドリーな接客をする販売員もいますから、それが手紙で急に「○○様、いかがお過ごしですか?」では妙によそよそしくなってしまう。ただそうはいっても、あまり度が過ぎたものには「あなたのお友達ではありませんよ。お客さまですから節度を守った書き方に改めましょう」とお伝えしています。

売場にも内容の確認をしている担当者がいて、それを経て私たちの部署に持込まれ、最終チェックをしています。いわゆるダブルチェック体制です。こうした仕組みも当店の開業当時からスタートしています。

そのため最初はかなり細かいチェックを入れていた内容も、今ではだいぶ皆さん目指している感じに近づいてきて、当店として本当にやりたいことが浸透しつつあるのを感じています。今後は「ノーチェックでも、あとは出すだけ。」そんな風になるのが目標ですね。

来年には新しいビルが開業しますので、それをきっかけに新しいお客さまがいらっしゃいます。今までやってきたことにプラスαで何ができるのかを考え、お客さまにより最適な情報をお届けすることで、ジェイアール名古屋タカシマヤのファンを増やしていきたいと思います。

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