REPORT Vol.15

DMはお客さまと良好な関係性を維持するための最適なツール

「全日本DM大賞」の特別セミナーで講師を務めていただいたライズマーケティングオフィス株式会社 代表取締役社長の田中みのる氏。販売促進のスペシャリストが語る、DMを活用するメリットとは。

「DMでお客さまとの距離感を育む」

DMとは何でしょうか?「売り上げ」を上げるためのツール?

もちろん最終的には「売上アップ」を目指すために存在するツールですが、「売り込み」が前面に強く出ているDMはよっぽどタイミングが合わなければ「即ゴミ箱行き」なんてこともあり得ます。

DMは「コミュニケーションツール」であることをまずは認識しましょう。

もし「その瞬間」に売り上げに直結しなくても、「次に買う」タイミングで「また思い出してもらえるよう」にお客さまとの良好な関係性を構築、そして維持するために活用すべきなのです。お客さまとの良好な関係性というものは一朝一夕にでき上がるものではありません。つまり時間をかけて作り上げていくことが基本になります。友人関係に置き換えると分かりやすいですよね。最近知り合った友達より、長く付き合っている友人の方が気心も知れて近しい存在に感じるはずです。まさに「そのような距離感」をお客さまとの間に育むイメージで、DMを活用できれば「良好な関係性の構築」につながるのです。

ライズマーケティングオフィス株式会社 代表取締役社長 田中みのる氏

さて、そうなると、お客さまごとに異なるであろう「距離感」をどのように縮めていけばいいのか? 極論を言えば一人ひとりのお客さまごとにDMの内容を変えるのが理想です。受け取ったお客さまが、「まさに自分だけに宛てた手紙だ」と感じたなら、ぐっと距離は縮まるはずです。

でも「ビジネス」の現場でなかなかそこまでのコントロールはできません。それならせめて「お客さまリスト」をちゃんと整理してほしいのです。新規のお客さま、既存のお客さま、最近ご無沙汰のお客さま、ファン層と呼べるお客さま……。
せめて「このくらい」には分類してほしいのです。そして「それぞれの層」にふさわしい内容のDMを作成するべきなのです。

例えば、新規のお客さまには、俗に言う「サンキューレター」がやはり有効です。「お近づきになれたお礼」がメインの内容であるべきですよね。もちろん2回目購入など「次への展開」も視野に入れたアプローチが必要と言えるでしょう。

次に、既存のお客さまですが、ここも本当は、購買頻度や購入回数や金額などで、DMの内容はさらに細分化していただきたいところです。

基本的なDMの役割としてはまさに「お付き合いを継続するため」にあります。ゆえに「定期的なアプローチ」が必要になってくるのです。ここをおろそかにすると「個客離反」が起こります。はっきり言って「離反が起こってから」では対処が難しくなります。ですから、「離反客」と確定させないために「ちょっとご無沙汰のお客さま」に向けた役割のDMも必要になるのです。

「お客さまが離れる3つのシンプルな理由」

ではなぜ「個客離反」は起こるのでしょう? 実は理由はシンプルです。

「忘れる」・「飽きる」・「卒業する」

顧客離反の理由の多くはこの3つのいずれかで説明がつくものなのです。

1つ目の「忘れる」はある種、仕方がないことです。
人は適度に「忘れる」ようにできています。現代は特に、次から次へと情報が飛び込んでくる時代です。すべてを「覚えておく」ことなどできません。「脳」が持ちませんから……。だからこそ定期的に「思い出してもらえる」ようなアプローチが必要となります。

2つ目の「飽きる」もよく起こることです。
いくら魅力的なものでも徐々に飽きていくのです。ですから「飽きられないための」情報を発信すべきなのです。現在選択している商品やサービスの魅力を改めて伝えるのも有効です。自分自身で選んだものを改めて肯定されるのは案外気持ちがいいものです。

3つ目の「卒業する」というのは、とても対処の難しい問題です。
別の表現をすると「離れていく」ということです。物理的に離れるのは「住所移転」が挙げられます。来店促進が重要な業態だと、どうしようもない問題かもしれません。通信販売であっても「DMが届かなくなる」リスクがあります。この場合は「転居」を知らせていただけるような仕組みを、普段から準備しておくことが大切になります。そしてこの「卒業する」というのは「物理的」ではない「離れ方」があります。それは「ライフスタイルの変化」です。就職や結婚、昇進、出産など、ライフスタイルが変わることで、それまでの「選択基準」が変化するのです。そのタイミングで「購買行動」が変わり「購買先」の変化につながることは起こりがちです。これに対処するためには、普段から「相談相手になれる」ような距離感を維持するコミュニケーションが重要になります。また、提供する「情報」もある程度先を見通して、今は必要なくても「未来に役立つ」情報を発信しておくことが大切になります。

「上得意客へのアプローチはとにかく丁寧に」

既存客へのアプローチで最重要なのは「上得意客層」向けのものです。

「ファン客」と表現してもいいでしょう。この層には、特に注意深くDMを設計していただきたいと思います。「ファン客」は自分自身でも、「ファン」であると認識している場合が多いのです。そんな相手に「みんなに送っているもの」をそのまま送ると不愉快にすら感じるかもしれません。「上得意客扱い」が伝わるような「特別感」を感じるDM作りをしてくださいね。ここを丁寧に設計することで「新規客のご紹介」を頂ける確率が上がります。「ファン客」は「ファンになりやすい人」を選んで紹介してくれるものです。長く商売をなさっている方は「肌感」でこの辺りはご理解いただけると思います。

まとめ

DMをただの「販促ツール」とだけ考えるのはもったいないと思います。
ちょっとオーバーに表現するなら、お客さま一人ひとりに寄り添うスタッフのように考えていただきたいのです。実は、本当にスタッフが訪問するより優れたところがあります。それはお客さまの家にずっと居座ることができるところ(笑)

さらに「同じ説明」をお客さまが知りたいときにいつでも何度でもしてくれる。つまりは「保存性が良い」ということです。デジタルツールと比べても優位な部分ですよね。そしてただ優位なだけではなく、ホームページなどのWeb連動にも力を発揮します。ぜひWebで発信できる「フレッシュな情報」への誘導もDMの役割として数えていただけますように。

ぜひ、有能なスタッフをお客さまのところへ訪問させるようなイメージでDM作りをしていただければと思います。今回の記事が、少しでもみなさまの販促物づくりのお役に立てますように!

田中 みのる

ライズマーケティングオフィス株式会社 代表取締役社長

平成元年 大阪中央郵便局着任、公社化、民営化と大組織の変革を経験、法人営業、社員育成等を担当。その後、霞が関本社にて勤務。2010年独立、ライズマーケティングオフィスを設立。メディア接触時のターゲット・インサイトを追究し、効果の出る販促物・チラシの作成や、Web・モバイルを活用したクロスメディアのプロモーションについて、全国でコンサルティング、セミナーを多く手掛ける。その知見を生かし販促会議「販促NOW」コーナーにて販促ツールを解説。また宣伝会議『現代宣伝・広告の実務特集』にて「ダイレクトレスポンス広告の作り方」を執筆するなど、多数の実績。

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