REPORT Vol.1

良いダイレクトメールのポイントは「 一言力 ( ひとことりょく )

成果の出るダイレクトメールには何が書かれているのか?
ダイアログを理念とするプランニングブティック、大槻陽一計画室の大槻陽一氏にお話しを伺いました。


有限会社大槻陽一計画室
ワード・アーキテクト 大槻 陽一 氏

――ダイレクトメール(DM)に求められていることは「セールスコピー」ではない

本来的なDMのコピーは「売る」というよりも、「提案する」「おすすめする」という意識が近いと思っています。なぜなら、DMは受け手に「当事者感」を持たせられる手法だからです。

マス広告と違い、DMは氏名や性別、年齢など属性を知った上で、特定の個人、「○○さん」に送るものです。購買履歴などと照らし合わせ、最適なオファーを出すことができれば、「私にだけ知らせてくれる」「タイミング良く教えてくれる」と思ってもらえます。自分事化つまりは当事者感を持ってもらえるからこそ、DMのオファーが響くのです。

良いDMとは、当事者感を作ることができているものだと考えています。当事者感がなければ、特別感・限定感の演出といったテクニックも効きません。
ですので、DMで必要とされているのは「セールスコピー(Sales Copy)」ではなく、強いて言うなら「プロポ―ザルコピー(Proposal Copy)」だと思います。

この流れは、DMだけでなく、昨今のコミュニケーション設計全体にも言えることでしょう。不特定多数ではなく特定の人へのコミュニケーションを行うことで、納得して動いてもらうことが重要になっています。そういった意味では、ダイレクトマーケティングは全てのコミュニケーションを統括する概念になり得るのではないでしょうか。

――DMにおける企業と生活者のギャップ

DMが当事者感を持たせられるのは原点が「お手紙」、つまりは私信だからです。しかし、それを意識している企業はあまり多くありません。例えば、書き出しが「皆様」や「各位」となっている挨拶文。これは個人である「○○さん」宅の玄関前で「みなさま!」と呼んでいるようなものです。これでは、当事者感が失われてしまいます。

DMをDMたらしめている一番大切な部分を「謹啓ますますご清祥のことと云々」といった定型文でお茶を濁しているケースが多く見られますが、これは送り手である企業と受け手である生活者との意識のギャップが原因だと思っています。送り手である企業は一度に何千、何万とDMを発送します。そのため、マス広告的な意識で作成してしまう。しかし、受け手である生活者にとってはあくまでも私宛に来た私信です。その結果、開封されず、読まれない、成果のでないDMが生まれることとなります。

それを防ぐためには、頭の中でどれだけ受け手の立場になれるかが重要です。一方的に情報を送りつけるのではなく、当事者感を得た上で響く内容になっているか。それを繰り返すだけでも、DMの技術が向上すると思います。

――カッコいいキャッチフレーズよりも気の利いた一言を!

よいDMを作成するために、私がまず勧めているのは手紙に「一言」添えることです。これは「追伸力」と言っていいかもしれません。
例えば、購入いただいた商品の使用感を尋ねたり、近況をお伺いしたりなど、送り先に応じたメッセージを担当者が書き添えるそのひと手間だけで、DMの成果は大きく変わってきます。そうすることで、当事者感を高めることもできますし、受け手のことを大切に考えているサインにもなるからです。

まとめますと、良いDMを作成するためには当事者感を持たせること。そのためには、カッコいいキャッチフレーズを言えるかよりも、お手紙として気の利いた一言を伝えられるかどうか。DMに関わる皆さんは、見た目や体裁だけでなく、是非一言力も磨いて欲しいと考えています。

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